mixhostでpythonを実行する方法を解説します。
この記事ではmixhostにpython環境を構築し、簡単なスクリプトを実行させる方法まで紹介していきます。
解説動画もありますので、併せてご視聴ください。
mixhostではpythonはサポート対象外になっております。
操作ミス等によりサーバーに重篤な不具合を与える可能性がありますので、
Linux等を初めて操作される場合は予めローカル環境で十分なテストを行ってください。
また、本記事の内容を実際に行う際は完全自己責任でご利用ください。
mixhostでpython3を使う
mixhostではpython2は導入されておりますが、本来python3は扱う事は出来ません。
mixhostでpython3を使う為にはサーバー内でpython3を扱えることが出来る環境を構築する必要があります。
mixhostでpythonを扱う為の注意点
mixhostでpythonを扱う前にmixhostの利用規約や禁止事項には必ず目を通しておいてください。
上記画像はリンク先のページから一部抜粋したものですが、本来pipコマンドによるパッケージのインストールやroot権限が必要なパッケージの操作は出来ません。
※これらはpythonの環境を構築する事により行えるようになります。
pyenvとvirtualenvで仮想環境を構築する
pyenvはpythonのバージョンを管理するツールで、virtualenvはシステムにpythonの仮想環境を構築するツールです。
まずは、これらを導入してmixhostのサーバー内にanacondaを導入します。
STEP1 cPanelのTerminalからpyenvとvirtualenvをインストールする
上の画像のterminalを選択します。
私のユーザー名が出ていますが、気にしないでくださいw
ターミナルからで下のコードを入力するかコピペしてエンターを押してください。
git clone https://github.com/yyuu/pyenv.git ~/.pyenv
同様に次のコードも実行してください。
git clone https://github.com/yyuu/pyenv-virtualenv.git ~/.pyenv/plugins/pyenv-virtualenv
これらをインストールした後、一度ターミナルを閉じてください。
STEP2 bashrcでパスを通す
bashrcはbashの設定ファイルの事です。rcはランコマンドの略でbashファイルを開いたときに読み込まれる設定を記述できます。
cPanelからファイルマネージャーを開いてください。
bashrcファイルはファイルマネージャーの一番上の階層にあります。ホームボタンか「1段上へ」を選択していき。最上部の階層から探してください。
bachrcファイルをEditモードで開きます。
エディット画面から下のコードを張り付けて設定を保存して下さい。
export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"
export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
export TMPDIR="$HOME/tmp"
export PYTHON_PATH=./
eval "$(pyenv init -)"
eval "$(pyenv virtualenv-init -)"
もう一度ターミナルに戻り下のコードを実行してください。
source ~/.bashrc
STEP3 anacondaをインストールする
これまでの過程でpyenvコマンドが使用できようになっています。
ターミナル上で下のコードでインストールが可能なバージョンの一覧を表示させます。
pyenv install --list
下のコードからanacondaをインストールします。
pyenv install anaconda3-2021.11
インストール完了後に下のコードの現在のpyenvのバージョンを調べます。
pyenv versions
このようにインストールしたanacondaのバージョンが出力されていればOKです。
conda環境の構築
conda環境は独立したpythonの実行環境です。
まずはpyenvコマンドでanacondaのバージョンを切り替えます。
pyenv global anaconda3-2021.11
続いて、anacondaまでのパスを通します。
echo 'export PATH=/home/○○/.pyenv/versions/anaconda3-2021.11/bin' >> ~/.bashrc
○○はご自身のアカウントのものに置き換えてください。
ここでターミナルを一度閉じてファイルマネージャーからbashrcファイルを開きます。
bashrcファイルはこのようになっていると思います。この状態から最後の1行だけ残して、上6行は削除して保存してください。
ターミナルに戻り、pythonのバージョンを調べて3系になっているか確認します。
python --version
これでターミナルでcondaコマンドが使用可能になっているはずです。
試しにcondaコマンドでインストール済のパッケージ一覧を出力させてみましょう。
conda list
次にcondaをアップデートさせます。
conda update conda
上画像のようなものが出力されたらyを押してエンターを押してください。
これでcondaが最新版になります。
続いて下のコードを使用して全てのパッケージを最新版にしましょう。
conda update --all
これでanacondaの環境が整いました。
仮想環境を立ち上げる事やFlask等を導入してWebアプリケーションを立ち上げる事も可能です。
pythonスクリプトをアップロードする
せっかくpython3が使えるようになったのだからスクリプトを動かしてみましょう。
今回このようなpythonファイルを用意しました。
見ての通りこんにちわと出力するだけのスクリプトですね。
これをターミナルに出力させてみましょう。
ファイルマネージャーからpythonファイルをアップロード
pythonファイルをアップロードする方法はいくつかありますが、今回はファイルマネージャーから手動でアップロードする方法を解説します。
ホームから一つづつ移動させます。メニューよりpyenvを選択します。
pyenvからversionsを選択します。
versionsからインストールしたanacondaフォルダを選択してbinフォルダを開きます。
binフォルダを開いたら、メニューバーよりアップロードをクリックします。
遷移先の画面にてpythonファイルのアップロードが出来ます。
pythonファイルを起動する
それでは、ターミナルからアップロードしたkonkon.pyを起動させてみましょう。
ターミナルにファイル名を入力してエンター!!
すると「Permission denied」と表示されてしまいました。
これはファイルを実行する権利を持ってないことを知らせてくれるエラーです。
ファイルマネージャーに戻って原因を調べてみましょう。
konkon.pyのPermissionsが「0644」となっています。
この値を変更する必要があります。値の変更方法は数値の上でクリックする事でも行えます。
他にもChange Permissionsから変更することが出来ます。
「0644」の状態では実行権利がないことがわかります。
全てにチェックすると「0777」になりますが、この状態だとセキュリティ的によくありません。
最低でも全員からの書き込みのチェックを外し「0775」にしておきましょう。
それでは、ターミナルに戻りkonkon.pyを実行してみます。
「こんにちわ」と出力されています。
まとめ
今回はmixhostでpython3を使う方法を解説いたしました。
初めに注意しておりますが、本記事の内容はlinuxを操作し、サーバー内にpythonの環境を構築しています。
ささいなミスなどでサーバーを破壊してしまう可能性があるので、必ずローカル環境等で一度テストをしてから本番環境で実装するようにしてください。